紫との対話

光と闇から成る色彩によせて、
「闇」を知ろうとしても、
その深さは、到底、人間にはとどくことはできない。
何かに到達しそうな手前で、
また矛盾に出会い、大きく寄り道をさせられ、迷宮入りする。
「闇なるもの」の質なんて、触れられるものではないし、
ちらっとでも見えるだけで、
怖くもなるし
手も合わせたくなる。
でも、どうしてだろうか。
知りたい。
私の中にあるものだから、
自然が知らせてくれるところまでは知りたい。

そんな「闇」を、「青」や「紫」から教えてもらえることがある。
私の「光」がある程度強くなれば、
「紫」を入り口として、「翳り」の中身を知ることができる。
 

「紫」ほどに多くの表情をもつ色はない。
その濃淡だけで、まるで人格が変わったような印象を受ける。
赤みに揺らぎ、青みに揺らぎ、それだけで表情は丸ごと変わって行く。
それはまるで、女性が衣装を仕立て、化粧をして、
人格丸ごと変貌していっているかのようだ。
 
淡ければ、ぼんやりしたものを投げてもくるし、
濃ゆければ、得体の知れないものを投げてもくる。
どちらにせよつかみ難い、ヒトから遠ざかってゆく雰囲気は、
「青」譲りだなと感じる。

でも、

「青」よりも、冷たくはない。
熱や、もつれた感情や、ぞろぞろとした背景を少なからず感じる。
時折見透かしたような
薄ら笑いを浮かべている自分自身が、
鏡のように映り始める。
 
闇の中に積もっている澱のようなものは、
紫の中で浄化しようともがいている。
解放されたがっている。
沈潜していくともう、私のことなのか、紫のことなのか
区別がつかなくなる。
正反対の黄でさえも、紫の中で渦巻いている。緑も青も、みんないる。
紫の中でのみ、解放できるものをみんなが求めているのだと感じる。

こんな風に全てを溶かして、
ほどけるようにしてくれる色は、そうない。
そのきっかけのためにアクが強いし、
どの個性をも凌ぐほどの
負けない個性をもっている。
「なんのためか」、
そこに紫は、地球上の誰に理解されずともまっすぐだ。
 

紫によせて(1)

うんざりするほど、見えるもので固まってしまった自分を
紫が誘ってくる。
それは決して、清い誘いではないかもしれない。
そんな危険めいた誘いの中に飛び込んで、
見失いそうになりながら、壊れそうになりながら、
そのギリギリのところで、私は変わって行くのかもしれない。

私はなんのために生きているのだろう。
私の意識は、
目に見えるいろんなことを欲する。
でもきっと、私の生命は、
誰の評価なんか要らず、
ただ、本当は、小さな宇宙を
叫んでいるのだと思う。

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