色育士|色で育めるものを支援する専門家

こんにちは。学校長のミッキーです。

「色育士」は、本校(色彩自然学の学校)が2020年12月より認定を開始した専門家の呼称です。

私たちは色から学び育めるものが重要であることを感じています。

「色で育くめるもの」とは何か?

「色育」と書いて、「色で育めるもの」という意味が込められます。

私たちが色によって育めるものとはなんでしょうか。

出典:色彩論(ゲーテ)

自然研究の集大成として、色彩の研究に最終的に至り、それを最善の仕事だと残したゲーテの色彩論には、色によってこれだけの気質や人格が見つかると言っています。

よく参考書籍を紹介してくれと言われるので、ここに色彩論をあげておきます。

参考図書

『色彩論』工作舎

ゲーテの色彩論です。値段が高いですが、一生に一冊と考えれば安い。訳文が非常に体に馴染むので私はこの色彩論を愛読しています。色彩論は訳文との相性があるように思います。図版なども別冊になっていて見やすいです。

色育士の現場から

色と触れる現場に立っていると、くれよんや色鉛筆などをもって彼らが描くことの中に、さまざまなものがイメージとして現れてきます。

例えば、

魔法使いのような生き物だったり、海を悠々と泳ぐくじらだったり、ぺらぺらと惚けてしゃべり倒している人物だったり、腐りかけた何かだったり。時にユニークで笑いながら話をしてくれるようなものもあれば、時には涙をもって懐かしくそのことを語るような時もあります。

それらは独特の彼らの言い回しをもって語られたり、表現されたりすることで、彼らの意識に汲み取られるようになります。

私が言いたいことは、そんな風に、間違いなく彼らの心の底流から湧き出てきたようなユニークな特性や意味深そうな人格が、彼ら自身の生き方に無関係なはずがないということです。どこかで出番を待っているのではないかと思うのです。

生きるとは、苦しさと同じぐらい面白いことなのではないかと思います。

本来自分に与えられている全体性とは、ゲーテが書いた図版ぐらい、いろんな人格が私の中に住んでいるということなのではないだろうかと思うんです。

色で育める人間の「自然」力

ユングは、無意識を意識の「偉大な案内人」、「友人」、「相談役」であるとしました。

色を扱うということは、このような人間の心の内で創造を止めず、自己を実現しようとする「自然」と、付き合うということだと私は思っています。

私が言うことはたいそうに聞こえるかもしれませんが、色を扱う人にはそのバックグランドに必ず「自然」を感じます。

それがもとより「自然」である人なのか、失われた「自然」を求めている人なのか、どちらかはわかりませんが。

色は、いつでも人間と自然との間を結びつけています

自然は色を通して、私たちにその姿もふるまいもあり方も示しています。

光や闇という、それは根源的で触れることすら叶わない強力な神性を、そして、本質的なことを、我々は直接的に知ることができないけれど、色という媒介者によって間接的に感じることができます。

自然は外でも内でもいつのときも創造をやめることがありません。

色育士が、色彩を信じ、人間のうちなる自然の創造を信じることで、子どもたちや大人たちのひとりひとりの全部分を使って、全部分を愛しんで、人生を創造的に歩けるような場を支援できます。

これこそが、自然から人間がもらった、色から人間が与えられているチカラだと思います。

小さな虫や小さな花を観察しよう

小さな虫を育てることは、いいことですね。私自身、この年になっても虫を見つけてはじっと見入ってしまいます。

今の時期はとくに、大きな虫は動くの大変で寝ていますから、小さな虫がでてきます。

どんな小さな虫も、環境の変化に対して、諦めることがありません。

新しい生命の枝葉を作ってでも、生き延びて、自分も変容しながら自己を実現していきます。

本来あった自身としての目的も手放すことなく、変えられる部分を変えながら対応していくその姿には、尊敬の念を抱きます。

また虫や植物は直接的に変身を見せてくれます。

地を這う生き物が空を飛ぶまでになる。その頃にはそのもの独特の振る舞い方やあり方や色彩を放っています。

まるでどの虫も植物も、孔雀の羽のように個性的です。

色育士の大切なこと

自惚れてはならないのは、色で育めるものは私たち色育士にチカラがあってできることではないことです。

色や自然のチカラをよく知り、自分を開き、力をかりているだけのことです。

色育士には枠組みを作ることや、心と伴走する姿勢が問われます。

  • 無意識の行いを邪魔しないこと
  • 遊びのルールを作ること
  • 本人が意識に汲み取る環境づくりをすること

代表的には、このような要素を色育士は大切にしてゆきます。

また、どんな色にも価値や特性があることを、創造のなにがしかの力があることを、誰よりよく知っている人たちです。

「色育士の庭」というコミュニティー

色育士には、色育士の庭という場所があります。

そこでは主に色育士同士のメンタルケアが行われています。色育士自身にとっても、色育士であることが本人の個性化の過程になるからです。

ワーク研修やそれぞれが主催する色育士に必要なことを能動的に話し合える環境をめざしています。

そのためにはコミュニティーという、互いに対等な関係があることが重要だと我々は考えています。

まとめ

今回はまた、色で育まれるものはなんなのか、という視点で綴ってみました。

思うところをつらつらと語る中で、余計な話をしてしまいますが、

余分なものほど役に立つことはないと思うので、そのままに書き置きます。

最後になりましたが、コロナ、そして今回の福島の震災と、未曾有の自然災害が続きますが、感染された方々、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

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