大学での後期授業、全15回終了。

大学での後期授業の終了!

振り返れば、トラブルだらけの立ち上がりだったことを思い出します。はじめてのGoogle Classroomを使用して、生徒たちと対話型のオンライン授業を模索した。どれだけ準備をしたとしても、こんな激動のオンライン化に完全で対応できる人間なんていないのではないかと思います。私は今回の激動において、楽観的な自分を育むことや、諦念を学んだし、学生たちや右腕となって働いてくれたアシスタントが、私のできないところを補いながら成長してくれたように感じています。

人間らしくいたい、と最近思います。本当は逃げ出したいようないろんなことを、逃げ出さずに向き合っている人間たちは、もっと未完でいいのかもしれません。未完な私であっても、授業に対する思いや、学生たちと共有したかった「自分自身の内なる自然力に気づく」ための15回は、何があってもやり遂げる気でいました。こんな時代だからこそ、自分自身が七転八起きして生きていることを、彼らに見てもらうしかないと思っていました。

やはり問題はすぐに起こって、私たちは「色彩」をやっぱり描いたり、考えたりしたいわけだから、オンライン授業といっても色を使ったり描いたりして、なんとか意見交換できるグループワークの場を実現したくなりました。学生たちを巻き込んで、トライアンドエラーの精神で140名以上を、4名1組や3名1組で分けてグループワーク課題に取り組んだり、スライド制作をしてもらったりしました。そういったときにも、不安がなかったといえば嘘になりますが、強い信念があったのだと思います。そういったことに一緒に挑戦できたことは、私の宝になったし、彼らに少しでも自信や経験になったのではないか、と今は思えています。

スライドワークの提出なども、彼らがどれだけ取り組めるものなのか見ていると、年をとっている私なんかよりもずっと柔軟な彼らは、自分で問題解決をはかり、努力してくれました。それはおそらく、私も困っていることを察してくれてのことなのかもしれないが、どんな理由であれ、彼らが自分の持っているものを引き出しながら事にチャレンジしてくれることは、私の本望でした。

意見交換は、大切にしました。私がひとりよがりの授業にならないよう、この学びが、いろんな若い彼らの考えに触れ、強く逞しく質的に充足をしてゆくようにと願いました。彼らがどう感じているか、どんな共感や反感の中にあるのか、できる限り毎回の授業レポートを受け止め、みんなにもシェアするようにしました。

正直、全15回を終えた今、心の中や頭の中はとっ散らかっています。
毎週の授業に精一杯でした。140人のレポートを読んでいるうちに1週間などすぐにやってきたし、彼らのレポートをまとめたり、描いたものの共有や教材などを作っていたら、あっという間に授業の日は巡ってきました。慣れないオンライン対話型の授業に、山積みの課題やファイルが机の上にあります。

きっと今からがまた本当の意味で大変なことかもしれないなと思います。今回彼らとオンライン授業で歩んできた『自然色彩学』の授業を、何ができて、何ができなかったか反省し、どんな授業が求められていたか、どんな展開が有効だったか、何が彼らの心を貫いたのか、私は痛くても客観的に受け止めなければならないなと思います。それは、彼らが私に贈ってくれたギフトだと思うからです。

学生たちのアンケート(60人中)

まだ期限前で、全員のアンケートが出揃っていない今ですが、このような自然の原理から学ぶことができる色彩教育が必要かという質問に、多くの生徒が必要であることを答えてくれています。15回の授業を受けてくれた生徒たちの生の声ほどに、嬉しいものはありません。

また、全員の集計が出揃った時点で改めて報告しようと思います。

ひとまず、全回をアシスタントをしてくれたおりーぶ、彼女がいなければこの大人数のオンライン授業は乗り越えられませんでした。そして、影で支えてくれていたいずみさん、この自然色彩学を専門教養科目につないでくださった林先生、オンライン授業への切り替えにあたりご指導いただいた神崎先生、ほか大学関係者の方々、応援してくれていた色庭のみんな、ありがとうございました。

そして何より、学生のみんなに出会えて嬉しかったです。ありがとうございました。

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