色彩自然学講義

代表からのご挨拶

学校代表 髙橋 水木 Mizuki Takahashi

1980年生まれ/ 色彩自然学の学校代表 / 色彩自然学者 / 大学講師 / 色育士顧問 / 野良仕事

みなさん、はじめまして。一般社団法人色彩自然学の学校代表の髙橋水木です。

私は阪神淡路大震災を中学2年生の時にただ中で経験しました。芸術大学へと進路を決め、さまざまな人の表現活動に触れ、色の力やイメージの力、その人の全身から放たれる生命力を知りました。前身の日本色彩心理学研究所にて17年、色や形で表現をして、”心”を回復へと向ける心理支援業に従事しましたが、もう少し基盤を広げ、”自然”という視座から人間の”心”を考えたいと思い、この”色彩自然学”という分野をはじめました。小さな本校を2020年に立ち上げ、4年目になります。

私は植物、昆虫、動物、鉱物など、自然が好きで、よく観察しに出かけます。自然は言葉を話しませんが、”色”という言葉を話していて、それが闇雲でなく、在り方に沿って変化しているのを見つけます。色の中にこそ自然や宇宙の根源法則が働いていることを、かのゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)がその人生の晩年に『色彩論』で残したことを思い出します。

色はきっと、在るところに在るように息づいて、止まっているわけではなく、移ろっています。短い時間をかけるものもあれば、長い時間をかけるものもあるけれど、必ず生命は色とともに変容していきます。そして”今”を表現しています。そうやって巡ろうとしていくのが、自然の息吹なのではないかと思います。

色彩自然学の学校 代表

私が強く思うことは、”自然とともに歩くこと”をやろうと思っても、何からどのようにやったらいいかわからない時に、シンプルに”色”ということが自然の知恵や歴史を教えてくれるのではないか、ということです。〈色彩〉ということは、万物を生み出す母のような ”自然のことば” として学ぶことができるのだと思います。そこには、私たちの”いのち”が、私を超えたところで長いこと経験してきた”生命記憶”のようなものまで関わっています。この仕事で20年経った今もなお、まだわくわくと勉強を続けられるのは、それだけ深い地層が私たちの記憶庫にあり、再発見するたびに沸き立つからだと思います。

 現代は、地球規模で持続可能な社会について、自然との共生という観点から考えねばならない時が来ています。私としても、この学校としても、循環していく自然法則が根源的な形で息づいている”色彩”をとおして、人類が抱える課題に取り組んでいきたいと思います。
現在は、自然農法での畑もはじめ、色から伝えられる自然循環の学びをいつのときもみずみずしく、実践的なものとし、同志である公認色育士たちと共に、自然との共生の場を模索しています。

 色について、科学的なことや見解は私の専門ではありません。色を分類して見ていく科学的な立場では、色そのものの持つ生命力や前述した自然の息吹、変容の軌跡のようなものが、失われてしまうような気がしています。

ぜひこの学校で行われるさまざまなことによせて、”感じる心”の価値を取り戻していただけたらと願っています。そして、その感じる心を活かした私で、私を超えたところにある〈私〉や〈自然〉への信頼を、懐かしく、再発見し、自然の智慧とともに生きていただけたらと願っています。私たちは自然の一員として、私自身の自然と結びなおすとき、いろんな色に心が開かれ、共鳴するのではないでしょうか。

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