今日はとことこ散歩に出かけました。

すると、ショウジョウトンボのメスに出会いました。
まだ5月半ば。なのにトンボに出会えるのはなんだか嬉しですね。

成熟が時期が早いショウジョウトンボ。
そのメスはハクビシンを思わせるような白いラインが
背中に一本入っているらしく(わかりますか?)、
体は黄色っぽい褐色をしています。

私が出会ったとき、ひだりの写真のように尾っぽをしならせていました。
人間でいう骨盤運動でもしているんでしょうか。

このショウジョウトンボはメスですが、
ショウジョウトンボのオスは、下に見るように、「緋色」です。

ショウジョウトンボ♂


このショウジョウトンボ♂の緋色はとても強く、よく目立ちます。
嘘のように鮮やかな赤ですよね。

そして、名前の由来「ショウジョウ」にも関わってくる赤色・緋色なんです。

ちなみに、ショウジョウトンボは「赤とんぼ」と呼ばれることもありますが、
私たちがよく「赤とんぼ」と呼ぶのは「アキアカネ」などのアカネトンボで、
飛び回る時期が違います。ショウジョウトンボは5月末からみることができます。

赤くなってゆくトンボたちの秘密

自然界の赤色を探究するとキリがないほど深みにはまっていきます。

赤くなっていくトンボの特徴

成熟するとオスのみ、全身が強く赤化していく傾向が強い。

ちなみに赤とんぼで馴染みのあるトンボは主に
アカネ属というグループに含まれる以下のトンボです。
「アキアカネ」や「ナツアカネ」などがいます。

今回出会えた「ショウジョウトンボ」はアカネ属ではありませんが、赤くなるトンボです。
頭の先から尻尾の先まで、朱のような赤です。
ショウジョウトンボがもっとも赤が強いように思います。

赤くなるトンボたちは目立ってオスが赤化するということなんですが、
羽化したときはほぼ、体は黄色っぽい色です。


成熟した成虫になると、橙色から鮮やかな赤色に変化してゆきます。

それはまるで、黄色っぽい実をぶらさげたトマトやイチゴが成熟するとともに赤くなってゆくことに似ています。

自然はあることをきっかけにして、赤くなってゆきます。

自然からの赤のことばは、「赤」という色をじっくりと観察することで受け取ってゆくことができます。さて、どんなきっかけで赤くなってゆくのでしょうか。

トンボの赤色と自然の力

古来より緋色のような赤い色というのは、
自然において繁殖や交尾などに重要とされてきました。
婚姻色のような働きがあると考えられてきたんですね。


つまり、自然がどのように色を伴い組み上がってゆくかという本質からみても、赤がでてくるところは決まって、2つに分かれたものを1つにするような時期にあたります。

このショウジョウトンボも、自分たちの種族を守りつなぐために
この緋色を身に纏っています。
逆に言えば、この緋色にショウジョウトンボが生命を繋いできた歴史や
生き残るための術が詰まっているとも言えるのです。

トンボの赤化は科学的にはどうみるか?

トンボが赤化によって行っていること
  • 紫外線をバリアする
  • メスに対してオスがオスであること(交尾期)を知らせる

トンボは種類にもよりますが、オス同士の縄張り争いも盛んな生き物です。
観察していると、低く飛んだり高く飛んだりして追いかけあっています。
その戦闘的で男性的な縄張りを守ろうとするオスのパワーも赤色にふさわしく見えてきます。


強い太陽光のもとで活動的に動くトンボは、
体の色によって紫外線を跳ね返すことも自分を守る術としてするそうです。
体温を調整したり、紫外線バリアなどにこの赤が有効に働いているそうです。

また、トンボは目が大きく感じられる昆虫です。
トンボの色覚センサーは15〜33種類ほどあるそうです。
色の違いには敏感で、人間には見ることができない紫外線もトンボは見えると言われています。
ただ、空間を見分けることのできる視力は弱く、
人間でいうところの0.01ほどの視力だそうです。

トンボは一般的にはオスがメスを選ぶ形で交尾し、子孫をつなぎます。
メスがオスを見分けるために、赤という色を使っているとも専門家の間では言われています。

トンボのみる世界は、色で周りをある程度把握できる世界のようです。
でも視界はかなりぼんやりしている。はっきりくっきりとは世界を見てはいないようです。

ここらあたりの科学的なトンボの色覚の話などは、私の専門外なので、
詳しくは、以下のサイトが科学的視点で面白かったのでシェアさせてもらいます。

参考サイト:▶︎産総研:赤トンボはなぜ赤い?動物で初めて見つかった驚きのメカニズム

さて、それではショウジョウトンボの由来にもなっている『猩猩緋色』について、
次から見てゆきましょう!

猩猩緋色について

「ショウジョウ」(猩猩)とは?

ショウジョウトンボの「ショウジョウ」とは、「猩猩」のことです。

あのジブリの「もののけ姫」で出てきた「ショウジョウ(猩猩)たち」で
この猩猩が何かを知った人も多いのではないかと思います。
ショウジョウバエのショウジョウもこの猩猩が由来です。

中国では、
・猩猩=オラウータン
・黒猩猩=チンパンジー
・大猩猩=ゴリラ
と呼ばれています。

「猩猩」が登場する古書、中国薬学書「本草綱目」によれば、

猩猩とは、
「交趾の熱国に住み、毛色は黄色で声は子供のようだが、時に犬が吼えるように振る舞い、人の言葉を理解し、人の顔や足を持ち、酒を好む動物」

中国薬学書「本草綱目

と記されています。

つまり、「猩猩」という伝説の動物は、

  • 姿は人間に似て黄色い毛で覆われている。
  • 子供のような声を出す
  • 犬のように吠えることもある
  • 酒を好む動物
  • 二本足で歩ける

ということなんですが……..

考えるだけで、どうですか?
友達になりたいですよね〜。人生楽しくなりそう。
もちろん少し怖いですけれど、友達になりたい。
どんなやりとりができるのか、やりとりしてみたいです、会えるなら。

猩猩緋色とは


猩猩緋色とは、前述した中国の伝説の動物「猩猩」に由来する緋色のことです。

ここからが重要なところですが、
猩猩(ショウジョウ)には、動物の中で一番赤い血が流れているとされていました。

モチーフ文

猩猩(ショウジョウ)には、動物の中で一番赤い血が流れている

どういう意味なんでしょうね。

どういう意味で「一番赤い血」なのでしょうか。

その詳細はわかりません。ただ、いろんな周辺のことからも、
「人間にもっとも近い」というような意味合いが「一番赤い血」という表現に込められている
ように私は考えています。

私たちは色に対する感覚を、本質的なものにまで深め高めるためには、
自然の1つ1つの現象を頭で捉えるのではなく、ありのままに体験することを回復する
必要があります。
例えば「太陽」や「雨」を、私たちは脳で考えて「これは太陽だ」「これは雨」と
磨いてきた意識で判断して体験しています。あまりに多くのことを知りすぎたんですね。
獣たちはきっと、太陽そのものの一瞬を体験し、雨そのものの一瞬を体験しています。

猩猩たちは、少し人間化している動物のイメージがあります。
森と人間とをつないでいる、野生と人間とをつないでいる。
そんな存在なのかもしれないと思います。
猩猩たちの見た目の言い伝えも「人間」に似た「動物」ということで、
描写はその中間や中庸が際立ってきます。

そういう目でジブリの猩猩たちを見てみると面白い発見があります。

『ここは我らの森。人間よこしてさっさと行け』

『その人間よこせ』

『行け、行け俺たち人間食う
その人間食う』

『その人間食わせろ』

『人間食う、人間の力もらう
人間やっつける力ほしい。
だから食う』

『木植えた。みな人間抜く。森戻らない。人間殺したい』

もののけ姫 猩々たちの言葉

猩猩たちが登場するシーンでは、
自然を破壊する人間たちに対して、怒りや絶望を表したシーンですね。
猩猩たちは森の賢者や森の番人のような存在として、描かれています。

中国では「動物の中で一番赤い血」を緋色にみて、
緋色を「猩紅」と読んだり、「猩猩緋色」と呼んだりします。

キリストの血の色に例えられたポインセチアに
「猩々木(ショウジョウボク)」という和名が付けられたことも
我々人類に普遍的な「赤い血」の印象が作用しています。

まとめ

血の色という意味合いが色濃く残るこの猩猩緋色。
また、2つの世界が1つにつながる集大成に現れる赤色。


どことなく生命のつながりや生命の強さ、
獣と人間、人間と自然の境界や、人間と自然の結びつきを思わせるような色です。


もし、ショウジョウトンボの猩猩緋色を、散歩して見つけたら
それは、赤のワンダーランドの入り口かもしれません。