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かたつむりってどんな生き物?
かたつむりはオスやメスの区別がない
かたつむりは雌雄同体といって、メスやオスの区別がその個体自体にありません。
なので、1匹のかたつむりの中で精子も卵子も両方もっています。両性具有の生き物ですね。
植物のように自家受精もでき1個体だけでも子孫を残せますが、
2匹いれば、顔の側面から出る「恋矢(ラブダート)」によって、交尾することもできます。
しかもこの「恋矢(ラブダート)」での交尾は、
交尾相手の生殖能力を低下させ、寿命を縮めてしまう可能性があることが研究で明らかになりました。
参考ページ▶︎カタツムリの「恋の矢」が相手の寿命短縮、東北大
生命をつなぐという儀式が、生命がけであるのは
どの生きものにもある程度共通するところがあるのではないでしょうか。
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また、かたつむりの背中の殻は、石灰質でできているそうです。
身近にある石灰質を多く含むものは、卵の殻なども石灰質でできています。
かたつむりはこの特有の「殻」のためにも
体内に石灰質を摂取する必要があります。
かたつむりの殻の不思議。
かたつむりは殻ごと生まれる!?
かたつむりはなんと、生まれたときから殻をもって生まれてきます!
やどかりのように、体の成長に合わせて宿を探すのではなく、
かたつむりにとって殻は体の一部で、もしそれを引き離してしまうと、かたつむりは死んでしまいます。
生まれてくるときの卵の殻を自分で食べながら、殻を背負って生まれてきていますね。
私が見つけた小さな赤ちゃんかたつむりも、ちゃんと殻をもっていました。かわいかったです。
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かたつむりの殻ってどうやって大きくなるの?
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では、かたつむりの「殻」は、どうやってかたつむりの体とともに大きくなっていくのでしょうか。
カタツムリは体が成長するとともに、殻の成分である石灰質を殻に塗りつけて
殻自体の大きさをどんどんおおきくしていっていきます。
一番外側にあるもっとも太い部分に、新しい殻を追加してゆくそうで、
どんどん渦巻きが大きくひろがってゆくイメージです。
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ちなみに、そのかたつむりの渦巻きの大きさ具合から、
かたつむりがどれだけ生きてきたかということが樹木の年輪のようにわかるそうですよ。
殻ってなんのために必要なの?かたつむりの弱点
かたつむりの弱点
体が乾燥すること
私たちひとりひとりにも弱点があるように、
かたつむりにも弱点があります。
それは、体が乾燥に耐えられないことです。
かたつむりはいつもしっとりしています。
体が剥き出しの状態では、すぐに乾燥してしまい生きていくことができません。
かたつむりの殻をもたない「ナメクジ」はジメジメした場所でしか活動しません。
でも、かたつむりは日の当たるところにもいます。
それはなぜでしょうか?
かたつむりは「殻」というものを体の一部とすることで、
その中に閉じこもり、湿気を保持することができるんですね。
体が乾燥しないようにするために、「殻」が必要!
実はあじさいを食べない!かたつむりの食べもの
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かたつむりは以下のものを食べます。
・昆虫の死骸
・植物の茎
・朽ち木
・コンクリート
4つめにある、「コンクリート」は驚きですよね。
私はかたつむりをコンクリートで見かけることが結構多いです。
かたつむりの「殻」を作る石灰質がコンクリートから染み出しているからなんですね。
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それをかたつむりは食べて、大切な身を守ってくれる殻の栄養として摂取しています。
これを見ていると、
あれ?かたつむりは紫陽花を食べるんじゃないの?
と思っている人もいるのではないかと思います。
紫陽花とかたつむり
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あじさいの葉には「青酸配糖体」という毒が含まれているため、
かたつむりはあじさいを食べることはありません。
謎:かたつむりは紫陽花を食べないのになぜペアでいるイメージがあるの?
では、なんでかたつむりとあじさいがセットでイメージされるのだろう?という不思議が残りますね。
かたつむりは基本的に植物にくっついていますが、
かたつむりが活発に活動する時期と、あじさいが咲き見頃を迎える時期が重なっているために、
そのようなイメージが広がったと考えられています。
かたつむりが活発に活動する時期と、紫陽花の見頃が重なっている!
また、雨や風を耐え忍ぶためには、大きな葉っぱに身を隠すことが必要になります。
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そのためにあじさいの葉は大きくて、丈夫で最適なため
よくその葉にくっついていることも見られるそうです。
雨や風を忍ぶために、かたつむりは紫陽花の大きな葉にくっついていることがあるから
なめくじとかたつむりの違い
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「なめくじ」は「かたつむり」によく似ていますよね。
「かたつむりから殻をとるとなめくじになるのかな?」と想像しますが、
この「殻をとる」ということにも、
「かたつむり」の生き残りをかけた目的があるわけですね。
実は、なめくじは、かたつむりの「殻が退化して消失することで進化した」生き物だと言われています。
これを、「収斂進化」と呼びます。この「収斂」という言葉は、
ゲーテが自然の生成と変化、特に植物を追いかける際、分極性でもちいた、
「収斂」と「開花(拡張)」つまり色でいえば「黄」と「青」の本質的な力でも登場しましたね。
(このあたりは、色の本質を学んだ方はわかると思います)
なめくじは、かたつむりが殻を退化させ、消失することで実現した「収斂進化」である。
生命はみな、与えられたものより、よりよいものになろうと進化をとげるわけですが、
かたつむりは、殻を脱ぎ捨てることで、
かたつむりとしての不自由から抜け出して、生命を発展させる方法を見つけたわけですね。
殻があるかたつむりには、
外敵に対して身を守ることができ、体の水分蒸発を防げるメリットがある一方で、
それだけ大きな殻を作り維持し続けるという大きな負担がかかります。
それを脱ぎ捨てることで、
なめくじとなれば、自分の体の成長にエネルギーをかけることができるため、
早く成長できるようになりました。
そして動きづらさから解放され、狭い隙間に入れたり、新しい環境に進出することができます。
ただ、かたつむりよりも身を守れないという点では、
どちらが進化したのか、進化した結果がどうだったのかは
一概には言い切れないところがあります。
生命たちの多様性とは、個体が「自分自身であることにこだわり執着しながら」も、
「どこかで自分自身を超えて発展してゆこうとする」ことによって、実現されてゆきます。
この求心力と遠心力のバランスがさまざまな多様な生命を、
そしてさまざまな多様な色彩を生み出すことになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
かたつむりについて、考えながらも、
やはり生命というのは、1つ1つがダイナミックだと感じます。
1つの殻にはじまることが、かたつむりにとっての運命ですが、
それはただの部分にとどまらず、全体や生命をつなぐことや進化とも関わり、
殻にはじまり、殻に終わっていくように貫いた様子を見せながら、
一方では殻を脱ぎ捨ててしまうような進化のドラマまでも用意されていて、
自然というものはどこまでも賢い。と感じます。
こういった小さな生命を考えることは、
自然との結びつきを回復することにつながります。
どこか私たち現代人の心に
このかたつむりの在り方が響いてくるものがなかったでしょうか。
今回は以上です。
いつも色彩自然学の学校を見ていただきありがとうございます。
こういった自然のさまざまなことから、色の本質的な力を「自然のことば」として学んでいく
「色の本質マスター講座」を、ご興味がある方はぜひご受講ください。
ありがとうございました!