2025年が終わろうとしている。今年、この学校に関わってくださったみなさま、お世話になりました、ありがとうございました。少し綴ります。

この1年、社会が以前の安定した土壌を失い、表情を刻一刻と変えるようになったことを、肌でひしひしと感じた。それは私が年をとったから、というだけはない。目まぐるしい速度で、人間のやろうとしていることを代わりにやろうとするAIが育っている。その速度は誰も止めようがない。

目まぐるしさの中、自分が感じる危機感と、起こってくる出来事とが合わないことも生じてきて、今年は迷い、戸惑い、決意し、手放したものもあった。光が見えずに苦しい時期だったが、今ではそれが、新しい始まりだと思えるようになってきてもいる。

右肩上がりに急速に進んでいくものに対して、必ず”補い”は必要になる。

私の少ない頭と気力でできることは、先日も大学生たちに伝えたが、人間が自然の一員として、一体どんなものを握らされているのか、本来的にどんな宇宙を与えられているのか、自分を超えたところにある自分とは一体なんなのか、その自然道ということを彼らに投げかけ、共に考えていくことなのだと思っている。色は、自然が語ることばだから、光と闇がそんな場を作っていく。

片方の足で、進歩をゆく時間の相を生きて、喜ぶことがまだまだ僕らにはきっとあるのだろう。便利になればなるほど、喜べば喜ぶほど、称賛が起これば起こるほど、それは天井知らずの欲望となって僕らを席巻するかもしれない。
でも我々は、もう片方の足を、進歩とは関係のない循環の時間の相に突っ込んでいる。太陽が昇って沈んでゆくような、環のように行きつ戻りつする循環時間の相の中に、我々は間違いなく生きている。

どのタイミングかで、人はその二大動輪を再発見する。
そして、どのタイミングかで、人は自然へ還ること、その必要性に立ち還る。

色をとおして自然を考えることは、自然を自分ごととして引き寄せていくことでもある。自然の中に”私”が生き、”私”の中に自然が息づく。そういった自然との”結び直し”は、物質的だけではなく精神的に取り組むものでもあって、その眼が持続可能な地球、持続可能な自然、持続可能な社会を見据え、科学至上主義の”補い”につながっていくと、私は信じている。

年齢とともにできることとできないことがはっきりとしてきたような1年だった。

それでも私は、自分で野辺に立ち、伝え続けようと思う。そして色彩の運びを見続ける中で、自分なりの本を書いていきたいと思う。

どうしても読みにくい詩的な文章になってしまいましたが、
どうぞ来年もよろしくお願いいたします。

下記、現在の進捗状況や今年取り組んだことを、簡単にですがご報告をさせてもらいます。

大学後期 専門教養科目「色彩自然学」

今期の色彩自然学履修生は200名越えでした。
全15回がついこのあいだ、終了しました。
講義を受け始めた頃に描いたものと、全講義を受け終わった後で描いたものとでは、色使いやタッチ、そこに宿る物語のユニークさ、フォルムなどが大きく違ったように思います。

それぞれの木の今を、尊く思いながら、描いてくれたのではないかと思いました。

1月からは採点期間に入ります。
今期の学生たちとの時間は濃厚でした。彼らを想う気持ちの分だけ、しっかり採点させてもらい提出しようと思います。

色の本質マスター講座

写真の掲載を許可していただきありがとうございます

色の本質マスター講座は、現時点で、Bコースの個別セッションに申込みが集中しています。

Aは1日体験なのですが、あまり人気がありません笑。よくお問い合わせいただきますが、すでにしっかり学びたいと思われている方は、Bコースに直接お申し込みくださってかいません。
Bコースのいいところは、個別セッションであることが基本なため、学びのペースを互いに確かめながら進めていけるところかもしれないと思っています。
また、プライバシーを守ってクローズした環境で学びたい方もおられます。

オンライン受講の様子は、写真のような感じです。代表して二人の方に掲載を許可していただきました。ありがとうございました。

色育士®の育成とワーク研修

今年も本校の認定資格、色育士®の養成とワーク研修を実施してきました。

色の運びをかりて、ぜひ現代をさまざまな葛藤の中で生きる人たちの心の活動を、支援していただけたらと願います。かくいう私も、支援していただきたいですが。

5年続いたコミュニティー『色庭〜いろにわ〜』の閉鎖

今年、さまざまな事情と変遷が重なり、5年間続けてきた色と自然のコミュニティー「色庭」を、一旦閉鎖することなりました。温め続けた場所だったので断腸の思いでしたが、それを含みながら、また気持ちが進めば、新しい景色が見えてくるのではないかと思っています。

関係してくださった方々、ありがとうございました。

自然農(野良農)の取り組みと発信

腐植を増やし、土を守る農、土を育む農を残していくプロジェクトとして、発信を始めています。進捗はInstagramやThreds、コラムなどで行っています。

来年からの取り組みについて

特別講座の開講や、新しい取り組みを予定しています。
メールなどでご案内ができますので、ご案内が必要な方は下記フォームよりご登録ください。

開催情報が知りたい方はどうぞ
ご案内メールの登録

以上になります。

2026年もよろしお願いいたします。