赤の心理効果とイメージ・赤の使い方

色彩自然学ラボ

 

はじめまして。社団法人色彩自然学の学校の代表のミッキーと言います。

前回に引き続き、色をビジネスで活かすための赤の心理効果について、これから少し考えたいと思います。

 

この記事を書いている人

高橋水木の写真

一般社団法人 色彩自然学の学校 代表
高橋 水木(通称:ミッキー先生)

略歴:前日本色彩心理学研究所16年勤務/色彩心理学・色彩自然学大学講師歴9年/2020年色育士養成開始
研究実績:子どもの心の発達と色彩との関連/個性化と色彩の連関/ランドセル・教科書の色彩監修多数など

 

さて、前回よりスタートした

「色の心理効果を理解して、ビジネスに活かす」というテーマですが、

今回は具体的に、色を1つとりあげてお話したいと思います。

【目次】をもう一度おさらいしておきます。

また、前回の記事をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。

【目次】

① 色が人に与えるチカラや影響、心理効果について(前回記事)

② 色の力の、”つかみどころ”をどうおさえるか:「赤」の心理効果とイメージ

 1 赤色のイメージについて

 2 赤に宿る本質的な力から、赤の心理効果を探る!

  3 赤色の心理効果をどのように取り入れるか

③ どんな風にビジネスに生かせるのか:色を取り入れるメリット

④ 色を大切にデザインする姿勢は、ユーザーにどう映るか

では、赤について、またその心理効果や赤のもたらす本質的な力についてみてゆきましょう。

 

 

1. 赤色の心理効果とイメージについて

色は人の心を動かします。

それも、「心の少し深いところ」を動かします。

ミッキー

前回やりましたね。

人間の心に大きくわけるとふたつの領域があって、それが私たちの「意識」と「無意識」という働きです。

「自我意識」というと、意識の働きになりますが、

「心の少し深いところ」には、意識活動と合間って無意識の活動も流れています。

そのような意識と無意識のあいまいな領域のところに、我々がよくことばでもつかう「イメージ」というものが流れています。

ちょこっと小話

色というものは実は、自然界における光だけの活動ではありません。

光と闇とが出会うところに生まれます。

このことは、人間の内界にも同じように作用します。

つまり、人の心の光側の「意識の活動」だけではなく、人の心の闇側の「無意識の活動」も多分に含むのが、色です。

これらの両方の明かりと翳りの活動があってはじめて、外の世界に多様な色彩が生まれ、

私たちの内的な心の世界においても、多くのイメージや感情にともなう彩りが生まれます。

つまり、「心の少し深いところ」に流れているものは、「イメージ」だということです。

 

赤から受けるイメージは、一般的に以下のようなものだと言われています。

私は仕事柄、大学で色彩心理学や色彩自然学を教えていますが、学生たちに100名に聞いた赤のイメージを言語化してもらい

中でも共通してよくあがっていたものをここにあげています。

 

赤色から受けるイメージ

・情熱的   ・熱      ・松岡修造さん
・口紅    ・熟している  ・女
・血     ・怖い     ・威圧的
・独立    ・大人     ・積極的
・激しい   ・りんご    ・怒り

 

いかがでしょうか。わかるわ〜とうなづいてしまうようなイメージがあがっています。

赤という1つの色に、これだけのイメージが込められているんですね。

 

このようなイメージは一見してバラバラなもののように見えますが、1つの赤い色からもたらされている多様な枝葉だと考えられますね。

また、単に「赤」と言ったところで、人それぞれ思い浮かべる赤色が違う、ということもあります。

そしてここには、赤色とどんな歴史を歩んできたかということ(個人的な関係)と、人類が赤とどんな歴史を歩んできたかということ(集合的な関係)とが介在しています。

 

色には、個人的な色彩印象と、集合的な色彩印象とがある。

 

我々がビジネスで赤を使うときは、できるだけ多くの方に心理効果を期待するわけですから、

人類が赤とどのような歴史を歩んできたか、つまり集合的な色彩印象ということが重要になり、

そこには、自然界がみせる色と人との結びつきがルーツになります。

  

このように100人いる中で多くの人数が同じ印象をあげることで、心理学ではある程度の客観性があるものを判断してゆく手法を持っています。

 

ここにあがっている印象は、万人がある程度「そうだよな〜」と納得する赤のイメージ、

つまりは、集合的な赤のイメージにつながるものだということですね。

 

赤に宿る本質的な力から、赤の心理効果を探る!

では、ここからが本題になってゆきます。

上に上がっているような、感覚的なものを、知識で裏付けてゆく必要がありますね。

 

その折も、「部分と全体」とを意識しながら接近してゆくことで、本質的なものが浮き出てくるように注意します。

 

「赤」はどんなふうに人の心を動かし、影響を与えるのか普遍的なところを少しのぞいてみましょう。

自然界でよくみられるような、次の赤色を感じる色彩現象をあげてみました。

すると、赤を宿す自然現象には特徴がみられることがわかります。

 

赤という色は、自然界では、ある一定の時間だけ見られるものでもあります。

紅葉、お花、成熟した果実、夕焼け、など、

我々は赤によって「1つの自然が、絶頂に達していく様子と付き合ってきた」ということができると思います。

 

黄色や黄緑の実が、時間経過とともにあからんでいく様子、

1日の喧騒がやっと寝って、日が沈むぎりぎりのときに見せる夕焼け、

新芽が、収斂(しぼんだり)と解放(ひらいたり)を繰り返して、やっと咲かせた一輪の花。

そういったものに「赤」を感じて、生きてきました。

 

人間である私たちも、同じ自然の一部です。自然界と同じしくみをもっています。

私たちが嬰児から成長してゆき、自己を育み、絶頂へとむかってゆこうとする過程と無縁なはずはありません。

これを心理学では、「個性化」や「自己実現」という言葉で捉えています。

 

 

次の様子をみてください

黄色と青色で描いた植物の風景と、
それに赤を足して描いた植物の風景とでは、エネルギーが違う。
左:黄と青の2色で描いた植物           右:黄と青に赤を足して描いた植物

上の絵は、1つの植物を描きました。

 

左の絵は、黄と青の2色で描いた新芽のような植物です。

まだ力がなく、この世のものではないような弱々しい印象を受けます。

 

右の絵は、黄と青で同じように描いたものの上に、赤を足して描きました。

大地の肥沃さや、太陽の力を能動的に感じ、木の芽が地に根ざしたような力強さを描きながら感じました。

放っておいたら植物はどんどん葉を生やし、太陽の方にむかってのびてゆきそうです。

木の幹のように、持ち堪えられる硬質な茶色になるまでに、たくさんの赤い色が必要なこともわかりました。

 

赤のもたらす力の秘密は、この「生命が成長して大人になってゆく過程」にあります。

その過程の中で、大地に根ざし、ここで生きていく覚悟や力をもつために、赤が必要なのだなと感じます。

赤色の秘密

1つの生命が、成長して自立的になってゆくところに宿る力

このようなことを、先人たちは素晴らしい言葉で自然研究の中から残しています。

例えば、色彩心理学や色彩自然学の礎を作っていると言えるゲーテとゆう人は、

「形成力」

という言葉を残しました。この言葉の意味については、この記事の中で述べることができませんが、

あらゆる自然の生命に与えられている力だと、彼は言っています。

 

このような含蓄の深い言葉を心に据えて「赤」を眺めることで、

泉のように、さまざなまクリエイティブな赤にまつわる枝葉を生んでくれることに結ばれます。

  

赤のつかみどころ(色彩自然学より)

赤には形成力がある

 

このように、色の心理効果を把握するには、色を知り、自然のしくみを知り、人を知る必要があります。

「色は、自然が語ることばである」ことを、ぜひ心に留めて、色の力を感じてみてください。

  

 

赤色の心理効果をどのように取り入れるか

では、どのようにときに、赤の力を取り入れればよいかということですが、次のような時に取り入れるとよいです。

  

赤の力が引き立つビジネスでの取り入れ方の例

・商談や会合などで、しっかりした熟した思いを自分で伝えたい日の、差し色やネクタイの色として

・独自性のある唯一のもの、自立的なものを表現したいときの差し色

・愛が溢れていること、自利ではなく利他の精神を表現するとき

・絶頂ポイント(集約するとき)

・回転率を高めたいとき

赤の心理効果の活用例①:
商談や会合などで、しっかりした熟した思いを自分で伝えたい日の、差し色やネクタイの色として

 成熟した思いを全身全霊で伝えるために、赤いネクタイは効果的です。

 それはまるで熟した1つの果実だからです。

 伝えるまでに至るまでの、長い葛藤や成長の時間を超えてきた赤い色彩は、凛として、確固たる私の印象を支援してくれます。

 

赤の心理効果の活用例②:
独自性のある唯一のものを象徴したいときの差し色

 独立したものや、唯一のもの、つまり特殊化されたものを表現する際にも、赤い色は効果的です。

 赤は、色彩現象の中でもどんな色にも影響を受けない色彩です。

 それだけの独自性があり、背中であり方を見せるリーダーのような色彩です。

 

赤の心理効果の活用例③:
愛が溢れていること、自利ではなく利他の精神を表現するとき

 自然の絶頂に至るところに現れる赤は、真紅に近いほど、利他の精神が込められます。

 例えば、結実した身は、現実ではもうそれ以上のものにはなれませんが、次に向かうもののために収縮を始めます。

 種に自分の力をすべてこめて、次の世代へと送る精神に変わるわけですね。

 だからこそ、赤には溢れでるような愛があることを感じられます。

 

赤の心理効果の活用例④:
絶頂ポイント(集約させたいとき)

 WEBページなどでも「このボタンを押してもらうために、作り込んできた」というコンバージョンポイントがあるんですね。(私はWEBデザインもやっているので。)

 そのときのボタンやコンテンツなどは、赤らんだ色彩を使う方が、自然だと思います。

 なぜならそこが絶頂ポイントだからです。

 WEBデザインなどの場合は、そのメインカラーやイメージ、色調に合わた色で、少し赤味をもたせた色彩を配色されると、見ている側の気持ちの高まりになぞらえ、ボタンの存在感や価値などが際立ってゆきます。

赤の心理効果の活用例⑤:
回転率を早めたいとき

人は赤という色彩に、完成されたものや圧倒的なものをイメージします。
それとともにいることは、長い時間は許されない瞬発的なものを感じます。

ファーストフードショップなどで、手際良くさばかれてゆくべき場所など、
食べたらすぐ出ていけるような場所だったり、
単価が安いために多くの量をこなす必要がある場などでは、
お店の内装などに赤を積極的に用いることで、回転率をあげる効果が期待できます。

 

*赤を力を取り入れるときの注意点*

赤色
赤色

赤は質的にぎゅうっと凝縮した重さのある色彩です。

それだけのパワーと影響力があります。

自然界においても、赤色が、空一面に広がったりすることはそうありません。あったとしても短時間、短期間です。

つまり、小さな面積でも人間に対して影響力があるということは、知っておいた方がいいと思います。


  

ミッキー先生

人って、「赤」のように成熟したもの、完成されてゆくものにたいして、
自分自身を小さく感じることが往々にしてあります

そういったお客様の視点に立って、色彩計画をしてゆくことが大切ですね。

今回はここまでです。

赤という色と自然がどのように関わり合うか、それがどういった心理効果をうむかということを、少しだけですがのぞいていただきました。

いかがでしたでしょうか。

ぜひ、愛が溢れるような赤を、身につけたいときにしっかり取り入れて、自分を表現してみてください。

また、ビジネスにおける色彩効果にも活用してみてください。

 

色を知ることは、自然の摂理を知ることであり、人の心を知ることにつながります。

そのことにより、個人として、または会社としての関係性豊かな成長にもなってゆくのではないでしょうか。

 

ありがとうございました。

 

赤の心理効果を理解するポイント

・赤は、1つの生命が、成長して自立的になってゆくところに宿る力

・赤には、形成力がある

・絶頂ポイントに施すよい

・広範囲使わないように配慮する

 


一般社団法人色彩自然学の学校では、

・人間の心理に精通した色の特性をよく理解すること、

・自然が奏でる色の特性をよく理解すること

この2点から色彩デザインを行っております。

色彩デザイン、色彩計画のご要望がありましたら、

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